医桜通信
地域救急医療と医療再生 ~亀崎高夫先生~
2013年3月15日 9:00 AM
医療嗄声フォーラム 第2回 茨城西南医療センター病院の亀崎高夫先生にご講演を頂きました。
茨城西南医療センター病院 http://www.seinan-mch.or.jp/top.php
こちらの病院は、埼玉県、茨城県、群馬県、千葉県、栃木県の5つの県境に隣接する地域にある、救命救急センターを持つ病院です。ご存知の通り、埼玉県は人口10万人に対して医師数が全国ワースト1位、茨城県がワースト2位。さらに、埼玉でも医師のいない県北部、茨城県の西南地域という、医療資源が乏しい地域で日夜医療を提供している病院です。
ある意味、日本全国の救急医療の縮図的な部分がありまして、「ここが断れば、次がない」という状況でして、日中と比較して、夜間の医療圏が3倍近く広がり、年間救急車も3000台以上やってきています。一方で、医師や看護師の確保が困難な地域であり、少ない人数で地域医療をまもっていらっしゃいます。
しかしながら、それだけではだめだと、亀崎先生をはじめ、諸先生方が「文武両道」というモットーを立ち上げまして、若手医療者の確保に乗り出されております。
1つは「武」。
少人数で多数の症例が見ることから、都市部の市中病院や大学病院などより遥かに多くの症例を短期間で診る事が経験できます。何事もそうですが、初めのうちに様々な経験をしていた方が伸びしろが大きく伸ばせます。また研修病院でもありますので、専門医の取得などもできますし、忙しい分、自分の身になる病院ともいえます。特に外科系はおススメです。
もう1つは「文」。
やはり学術的な学びを除いては臨床のレベルアップはありません。西南医療センターではしっかりと指導医が論文指導やカンファレンスなどにも力を入れております。こういった病院はどこにでもある、という指摘もあるかもしれませんが、院長が率先して指導をしている病院は珍しいかと思います。
興味を持ちになられた方は、是非一度、見学に行ってみてください。
文責:溝口